ちょっと怖いおはなし
3つ
2 2 「速度を落とせ」という声…誰?
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 1 夕方学校帰りにすれ違った人誰‼
 小学校4年生の時でした。秋も深まり夕方はすぐに日が暮れてしまう11月頃だったと思います。
 学校の帰りは、いつも道草をし、家に着くのは夕方の六時過ぎでした。
 今日も辺りは灯りなしでは歩きにくいような、やはり六時半ころでした。
 もう少しで家に着く、あと300mくらいのところでした。前方から歩いてくるおじさんがありました。近くまで来るとはっきりと、山下おじさんだということが分かりました。山下おじさんは、いつも私に優しくしてくれる人でした。
 実はそのおじさんの娘さんと私の兄(長男)と来春結婚することになっています。山下おじさんと従兄弟になることをうれしく思っていました。
 近づくとおじさんは、重い荷物を厄介そうに背負い、体を左右に振って歩いてきました。
「今帰ったのかぇ」
 と声をかけてくれました。
 やはりにこにことしています。
「はい」と言ってすれ違い、二三歩して後ろを見ますと、もうおじさんは見えませんでした。えっ速いなぁと、その時はそのくらいにしか思っていませんでした。
 それから三、四分して家に着きました。
 ところが、家の入り口で私のお父さんとお酒を飲んで話をしているのは、何とさっきすれ違った山下おじさんでした。山下おじさんは私を見ても何の表情も変えずお父さんと話をしています。
 一週間ほど前にお母さんからお化けがいるお話を聞いたことがありました。じぁあの時すれ違ったのはお化けだったのかなぁ。
 それから夕方明るいうちに帰るようにしました。

 2 一人で運転していたのに、後部座席から声が?誰‼
 横浜新道(当時は戸塚バイパスと言っていた)が出来たばかり、真っ黒な舗装道路で路側帯、中央線の白線も光っていました。
 ある夜でした、私はこっそり家を抜け出しガレージから車を持出し横浜新道を一人で走って見ることにしました。何時もならお父さんが脇に乗ってアドバイスしてくれていました。
 三ツ沢公園の近くが新道の入り口でした。新道に入り次第にスピードに慣れてきて速度制限は五十キロでしたが、六十キロくらいまで上がりました。そのころは標識も少なく簡単に見分けることができました。
 保土ヶ谷を過ぎたころでした。車の中の後ろのほうから、
「スピードを上げすぎだよ、あまり出すなよ」
 という声がしました。そのとき私は何気なく、あぁそうだなぁと思い、アクセルを少し緩めました。  
 ところが、今は後ろに誰も乗っていなかったのです。
 免許を取るときは教官のいうことを何でも、はいはいと聞きました。お父さんの安全運転の助言も素直に聞いていました。
 幽霊のいうことも素直に聞いた私でした。


 3 夜中に布団を掛けてくれた人は誰‼
 私の田舎は岩手県九戸郡九戸村というところです。
 年に数回八戸から岩手の実家に帰るのですが、何度か次のような不思議なことが起こるのです。
 ある夏の夜のこと。その家には私とおばさんだけ、おばさんの息子さんは今晩は夜勤番でこの家にはいません。
 眠る前に、今夜は暑いから、と言って布団を半分に折って足の方に重ねて寝たのですが。
 夜中に誰か布団を被せてくれる気配がしたのです。私はここのおばさんが来て布団を被せてくれているな、と思い眠ったふりをしていました。
 部屋から出て行くときを見計らいそっと目を開けてみたのですが、誰もいません。戸の開け閉めのガラガラする音はけっこう大きな音がしていましたが、その時はその音もしませんでした。その晩は朝まで眠れませんでした。
 翌朝おばさんにその話をしてみたのですが、おばさんは。
「死んだお母さんが、風邪をひかないようにといって息子のあんたに、墓から出てきて掛けてくれたんだよ」
 と言って、私の話を嘘半分のようにあしらいます。実母は十年前に亡くなっています。同じ部屋で同じようなことが、その冬に起こりました。
 冬の夜中、私の懸け布団の四隅に何かを感じました。布団を押してくれる気配がしたので、目を開けたのですが、誰もいませんでした。冷たい空気が布団の中に入らないようにと誰かがやってくれただろうと思っていましたが。翌朝おばさんにその話をすると、
「死んだお母さんが息子が風邪をひかないように出てきてやってくれたんでしょう。」
と、全く相手にしてくれません。
 私の話を、作り話だと思っているらしいのです。

3  3 布団をかけてくれる人は誰?