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朳(えんぶり)(02/17~02/20)

(えんぶり)は、国の重要無形民俗文化財に指定されている八戸地方の代表的な民俗芸能です。
その舞は、農耕、漁獲を表現し、豊作祈願のお祭りです。
えんぶり(2008) 2008年 この年から、長者山新羅神社への奉納後「まつりんぐ広場」で待機する様子が見学できるようになりました。

ちょっと雑学
「えんぶり」の語源
朳(えぶり)は、元々田代を掻き均す農具の名称でしたが、
後には、それを操作する人をも指すようになりました。

「えんぶり」の起源
豊年を予祝する田植踊りとしての「えんぶり」の起源には、
①南部氏の祖南部三郎光行公が始めた。
②威嚇する侍の前で農民藤九郎が舞った。
③平泉を脱した源義経が北行の途中で伝えた。
などいくつか伝えられています。
えぶり
「えんぶり」の系統
えんぶりには、二つの系統があり、烏帽子に前髪が付いているのが「ドウサイ」で、三人の太夫がジャンギと呼ぶ鳴輪の付いた棒を持ち、同じような所作をします。
古い型を保っているのは「ゴイワイエンブリ」(ナガエンブリ)で、キロキロという愛称でも呼ばれます。
シテ(主役)の藤九郎はナルコを、ワキ(脇役)の太夫はカンダイ(鍬の柄)を持ち、三人が別々の所作をします。

「太夫」の呼び方
農耕を助ける馬をかたどった烏帽子を被った太夫は、先頭から
①藤九郎(とうくろう)あるいは弥武十郎(やんじゅうろう)、
②中畔(なかぐろ)あるいは間畔(あいぐろ)、
③畔留(くろどめ)あるいは(しっぽり)
と呼ばれています。

「摺り」(太夫の舞い)の順番
①摺り込み
 藤九郎が「エンブリスリの藤九郎が参って候」と口上を述べます。
②摺り初め
 「正月の祝いに松の葉を手に持ちて祝いなさるものかな」と摺り始めます。
③中の摺り
④摺り納め(摺り寄せ)
⑤畦留め(くろどめ)
手びら鉦
笛、太鼓とともにお囃子の演奏に使われます。
「祝福芸」(摺りの合間に演じられます。)
①松の舞
②竹の子舞
③喜び舞
④エンコエンコ(サツマブシ)
 子どもたちが銭太鼓(ゼニダイコ)と呼ばれる道具を両手に持って踊ります。
⑤苗取り(子どもが演じます。)
⑥田植え(子どもが演じます。)
⑦烏帽子田植(太夫が演じます。)
⑧大黒舞
 女性が小槌と扇子を持って踊ります。
⑨えびす舞
 大きな鯛を釣り上げます。エサと称してお菓子が撒かれます。
⑩鳥刺し舞
⑪田植万歳
 主人と太郎冠者の掛けあいです。
⑫金輪切
 金属製の輪を使った手品のような芸です。
⑬豊年スダレ
 南京玉すだれを使った芸です。
など
銭太鼓
烏帽子の話
現在の烏帽子は、厚紙に薄い和紙を何枚も張り合わせて、外縁部に五色のタテガミを付けたもので、高さ60cm、重さ1.4kg程度あります。
形状が馬の頭部に似ていることから、馬を象徴したものと言われています。
「ドウサイエンブリ」には、前部に五色のテープ状の前髪がつき、「ナガエンブリ」には、牡丹や空木の花がつきます。
ナガエンブリの花の色は、元々白色でしたが、後に赤色に変わりました。
なお「賣市組」には、花がついておりません。
ザイ
親方衆が持ちます。
烏帽子と同様に、神が宿るとされ、手に持たないときには、背に挿します。


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