もう二十年前のことになるので日にちは確かではないが、平成15,6年あたりになる。
 某公民館で、数年にわたり糞尿事件が起きていた。
 当時の館長が、地区の団体長達を集めて事件の内容を説明し、この件が止んでくれるよう協力をお願いをした。
 私は犯人を挙げようと調査をはじめた。
 調査をしているうちに不思議なことが度々あり、彼女の言っていることや、ことのタイミング、彼女の経歴、他の人から彼女の話を聞いているうちに、犯人は彼女だったことが次第に分かってきた。
 下記の箇条書きにあるようなことが分かったのは、潔癖症の彼女がどうしてあんな事件を起こせるものかと思っていた。
 
公民館利用者に不人気なところもある彼女。
 その年、私は館長に言った。
「今度彼女から退職願いが出たら受け取りましょうよ」
 主事は一年更新で、更新時期は2月ころ市の社会教育課に提出することになっている。

 彼女は退職願を提出した。
 館長はそのまま受け取った。
 翌日、公民館協力会のS氏が飛んできた。

「彼女を辞めさせるのか本当に、何故だ」
 と、これが毎年のパターンになっていて異例と思える長年勤務している原因だった。
 S氏は、地区を仕切っているような大物で、市会議員、国会議員の後援会長等もやっている。  
 しかし彼は地区住民の面倒見もよく、誰も彼を悪く言うものはいない。実は私も、会社定年後に公民館で働くことが出来るようになったのは、S氏のおかげでもあった。
 その時私はS氏を別室に呼んだ。そして過去に起きていた事件は彼女だったことを伝えた。その時のS氏の表情は今でも忘れない。
「はぁ…」 と言ったきり、事務所にも寄らず帰ってしまった。普段なら「頑張ってよ」とか「困っていることはないか」と職員に声を掛けてくれていた人が、相当なショックを受けたようだった。
 彼女は彼女で、“私が退職願を出しても私を辞めさせられないないだろう” と、高を括っていたものだった。

 これで彼女の退職は決定した。

 彼女は3月の末日公民館を引き上げた。
 彼女の使っていた事務机を今度は私が使うことになり整理しているとき、錠剤の薬が出てきた。彼女が忘れて置いて行ったものだ。何の薬だろう?。
 そのときの館長は元市民病院にいた方で、その薬は精神病院で出してくれるものだと言う。
 ”潔癖症の彼女が人糞を…”、それまで謎だった事が…これではっきり分かった。彼女は精神病者だったのだ。これまでの事件はやはり彼女だということが確実になった。潔癖症の彼女と糞尿事件。普通では結びつくはずはないので、今まで誰も気が付かなかったことだ

 調査をしているときにこんなことがあった。私が、
「今日は時間が取れましたので見張りに行きます」と電話をしてから公民館に行っていたものだった。
 彼女が事務所に一人残っていた。
「今日は残業ですか?」
 彼女は、
「講座があるので、担当者は残るものです」

 そのとき彼女が、
「室野さん、どうも犯人はあの人らしいわよ」
という。
 その人は書道の女性の先生O・Hさんだった。
 彼女は、
「今晩来る日よ」と言う。
 私は、その先生を見張るようにした。水曜日に来る先生、その日は何事もなかった。
 翌日からビデオカメラを設置した。数日経っても何も起こらなかった。
 このころから気が付いたことだが、私が公民館に行って張り込みをする このころから館長と主事のEさんも見張りをすることに加わった。
 後で知ったことだが職員たちは、
 …やっているのは彼女だろう…と、思っていたではないだろうか。だが糞尿と潔癖症の彼女…は直結しないからはっきりしないことだった。

「今晩公民館に行きます、」と電話をした、彼女が出た。
「待っています」と言う。
 6時20分ころ公民館に着いた。彼女はお茶を出してくれた。
「今晩先生は7時ころに来るわよ」と言う。
 19時ころに書道の先生がやってきた。先生は玄関に入りスリッパに履き替え二階の講座室に…。
 すると彼女は、
「あたし玄関をちょっと見てくるね」
 と事務所から出て行った。そしてすぐに。
「室野さんあったわよ~やっぱり~あの人よ~」
 と言って、ビニール袋に黄色の液体の入った物を手に弄ぶようにして事務所に持って入ってきた。
 糞ではなく、尿に見せかけている。
 私は「???」潔癖症の彼女がどうして簡単に他人の尿を両手に持てるのか。彼女はここで先生が犯人だと印象付けたかったのであるが、反対に襤褸(ぼろ)を出してしまったのだ。
 後で調べた尿らしきものは、実際は洗剤だったらしい。
 また彼女は「洗剤を花にかけて殺してしまった事件もあった。館長は彼女に間違いない、と言っていた。


 今回の警察の逮捕がなければ、今でも地区の人は、私の言っていることが真実ではない、と思っている人はたくさんいたと思う。
 彼女の実家には親戚が多い。その方たちも、今回彼女の逮捕で分かっていただけたと思います。


 私の長い間の曇天な気持ちが青天に変わりました。ショートメールが三人の方からあった。
「本当だったんだね」「おめでとう」「神様は見ていたんだね」

 明日警察署に行って情報提供しようと思っています。ただ、彼女の病気はいつ発生するかわかりません。やることが糞尿事件だけではないから怖いです。これからも、まだ起こることがあるでしょう。

 公民館職員も彼女の言動や行動やらのイジメで何人も退職している。
 当時は彼女の後ろには、S氏がついているから彼女の傍若無人振りを止められなかったことだ。
 私も元館長の祐川さんから言われたものだ。
「彼女のことをS氏に言ったら公民館に居られなくなるよ」と。
 とにかく今は公民館から彼女がいなくなればいいだけの話なのだ。公民館協力会の会長がS氏だったことが被害を防げなかったのも原因の一つなのだ。今考えれば、何故、何故、何故?。正義感ぶるようだが、何人も辞めていった職員の悔しさを思うと、私は首になってもいいと思っていた。
 事件のことを警察に知らせて、もとの明るい公民館になってほしいと思っていた。

 追加 1113日 私の甥が仙台から定年で岩手に戻ってきている。
 甥の話では、仙台でもまったく同じような事件があったと言っていた。宮城野区のパチンコ店「メルヘン」で、今回のような糞尿事件が起きていた。時期からすれば、公民館で起きていた事件と時期が重なる。そのパチンコ店の駐車場で車のドアに傷をつけられることもあったそうだ。ドアの箇所も公民館であったのと同じ部位。彼女には知り合いが多く、親戚も多いそうで、確か仙台にも誰かいることをきいたことがある。
 パチンコ狂の彼女は、その地のパチンコ店でやっていて、負けると病気が発生する、そしてやったんではないかと、想像だが、確かであろう。

   他に次のようなことも彼女が起こしていた

 無言の電話やいたずら電話 ・ 仲間や会社のお金が無くなる ・ 器物破損 ・ パチンコ依存症

 K漁業との取引先の弱さがあった、Uさんにいたずら電話をし…、パチンコ屋でUさんの旦那さんに発見され、大勢の客の前で謝る。彼女はパチンコ狂で、八戸だけにとどまらず県外にも足を運んで打っている。

 中川ひとみに電話

 同僚の中川ひとみが出勤で車に乗ってエンジンを掛けようとしたとき、公民館から携帯に電話が入った。
「バカバカこのデブ公民館を辞めろ」
 中川は、ー 何なの、あの人おかしいわね ー で、電話を切り五分後に公民館に着いた。
 その日は彼女が早出で出勤が830分だった。他の職員は900出勤。
 公民館の公衆電話からかけたもので、誰からの電話か分からないだろうと思って掛けたらしい。だが、公民館の公衆電話は、公民館の電話番号と同じだったのに彼女は気づかず掛けたのだった。
「何よあの電話~」
 と言ったが、
「ええっ知らないわよ」
 バレたのをずっと知らないでいたようだ。

 私にも無言電話

 糞尿事件の犯人が彼女だったことを事務所でほのめかしたことがあった。
「あの時の犯人は私の近くにいる人でした」と。それをずっと念を持っているらしい。
 彼女は今はカラオケ店をやっていて、夕方6時ころ、夜は9時ころ。お店が始まる前とかお客がなかったり、いなかったりの時間帯だろう。“P”や”C”の無言電話、出ると切れる。彼女のお店の入り口にはピンク公衆電話がある、そこから掛けたり、携帯電話を非通知にして掛けているらしい。令和5年 今も週に一、二回くらいは無言電話がある。時間帯からして彼女の電話だと思われるので、わざと出ない。最近は一回鳴っただけで切れる。明らかに嫌がらせの電話である。

 中川の飲酒を警察に電話
 
4丁目に、白井の経営する“タヌキ”という飲み屋さんがあったころ、中川が仕事帰りに寄って飲んで帰っていた。中川の家はタヌキ家から数百M
まさか警察は…、と油断して飲酒運転をしていた。

 中川が飲んで店を出て車に乗ったところを飲酒運転で逮捕された。実際には注意で済んだらしいが。これも彼女の通報だと思う。彼女の家と警察署員に親戚か知り合いがいて、彼女の通報には署員は出向かなくてはならない事情があった。下記の「K宅で…」にあるような。

 白井の店のカラオケがうるさいの電話
 彼女の経営しているカラオケ屋とは白井の経営するスナックには地区のお客さんが利用している言わば商売敵だ。人気は白井の経営する“たぬき”が圧倒的に多い。そんなことからも白井に妬みを持っている「白井のお店のカラオケがうるさい」などの電話が警察に行く。白井は店を変えた。それでも「近くの住民です」と言って名を出さない電話。実際に白井のお店は住民に迷惑をかけるような場所ではないのだが。

 お金が消える

 江陽閣が開業した頃。江陽閣で金が消えた。現行犯ではないが、状況からして彼女の犯行に間違えないとなり、社長が
「人事替えをします、今呼ばれた方は明日からその部に就いてください」と言った。彼女の名前がなかった。
 また、
W鉄工所の事務に採用されたとき。お給料のお金が、各人の給料袋から1万円づつ抜かれて渡され、翌日皆が気が付き騒ぎになり会社を首になった。

 中川ひとみのお金が消えた
 
中川が、「旦那に昨日ボーナスが入って貰っちゃった~」
 退社間際、彼女と二人しかいない事務所で、三万円をチラつかせた。
 中川が、「戸締り見てくるね」と二階に上がって2,3分して降りてきた。
 「戸締りOK、さぁ帰りましょう」
 バックを持ってデパートに買い物をして帰ろうとして財布を開けたところ、一万円しか入っていなかった。

 物が消える
 
領収書が消える。同僚が銀行に入金した後、持ち帰ったその領収書が消えた。どう考えても消えるはずがないのに…。  担当者は社会教育課に始末書を書かなければならない。非常に不名誉なこと。同じ主事に数回あり、その主事は退職に追い込まれる。

 デジカメが消えた

 
地区の懇親会が公民館であった。私は主事だったので席は端の方に決めていた。懇親会が始まる直前に、館長が私に、
「会長席を空けておくのもなんだから、室野さん会長席に座ってうめてくれないか」という。私も当時入舟町内会の会長だった。言われたとおりに折弁をもって会長席に着いた。彼女が後ろから追ってきて、
「室野さんの席はあっちでしょう?」とすごい剣幕を張った。
「館長が言ってくれたんだ、私もここでいいと思うよ」 
 彼女の顔が何とも言えない表情になった。
 その日、目の前にあったカメラが目を離した僅20秒くらいの間に無くなった。彼女と二人しかいない部屋で。知らないかと聞いても、遠くを見つめながら。
「知りませ~ん、分かりませ~ん」
 の繰り返し。その時は病気が起きていたのだ。一緒に探してくれる、ということはなかった。

 K邸で警察署員の車が荒らされる。
 
新規に配属になった地区の交番の署員たちは、配属になった挨拶で彼女宅、ということで、彼女の父は署員歓迎、ということでごちそうになる。恒例のようになっていた。飲んだので彼女宅に泊まった。当時の警察の方が彼女の家とは近親者だった人がいた。

 
朝、若い署員がドアを開けたところ、車内が荒らされていた。鍵は彼女の玄関に置いていた。
 お世話になったことだし、騒ぎには出来なかった。

 器物損壊
 館長の車と中川主事の車のドアに、金属のようなもので傷がつけられる。仙台の事件も、パチンコ店で…女子トイレで糞のまき散らし…車に傷をつける箇所も、公民館であったことに共通点がある。

 白井の車に傷、これは誰だかは分からないが、白井は、「彼女ではないか」と疑っている。    

 彼女は夜遅くに散歩する。私も何度かすれ違ったことがある。白井の家は彼女の散歩道にある。 
              

                      2022
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2024年10月27日 八戸警察署に逮捕された
実は地元だけでは留まらなかった事件でもある
糞尿ヌタグリ事件