ここからはシャクナゲを離れます。
「モザイク」というのは三浦哲郎さんのエッセイ集の題で、ことわりなく使って悪いのですが、いい言葉が見つかるまで借りておきます。
秋、紅葉の季節が終わると、私は枯葉集めにかかります。交通量の少ない道路の曲がり角などにかさこそと乾いた枯葉が吹き溜まっているところを探して袋に詰め持ち帰ります。車で走りながら、いい場所を探して歩くのですが、最近、落ち葉が美しいことに気がつきました。まだ、色がさめきらない枯葉の元の形が様々で楽しませてくれます。まさにモザイクです。
冬越しのためにシャクナゲの苗をこの枯葉で埋めるのですが、枯葉にとって堆肥になる前の最後の役目です。
私にも朽ち果てる前にやっておきたいことがいろいろあります。最も大事なことは言うべきことを言っておくと言うことです。多分、誰も聞きたくないし、読みたくないでしょう。でも、言い残しておくことは、生きていたものの義務だと思うのです。