ー酒の話ー

 

祭りには酒はつきもの。これは古今東西どこの地方、どの祭りでも言えることで、三社大祭も同様に鍛冶町でも祭り期間中には相当な量のお酒が振る舞われます。祭りが終われば屯所の裏庭にはおびただしい量の空きビン、ビール、ジュースの空き缶が袋に詰められ山積みにされます。その年のお天気が良ければその量は適面に増え、大勢の胃袋に消えたお酒はみんなの汗とトイレに泡と消えてゆきます。
山車運行中の飲酒はもちろん禁じられておりますが、休みの時となるといくら飲んでも酔わないのか、はたまた酔っているのがわからないのか、面白いように空になったお酒の瓶やビールの空き缶が並んでいきます。

 

祭りの中で飲まれるお酒の中には、ある意味をもったお酒があります。ここではそんな大事なお酒の話をちょっとだけ紹介しましょう。

 

 

◆ちょうなの酒
祭りの仕事始めはまだ桜の花が咲く前、4月の中旬〜下旬頃に「ちょうな立て」というものを行います。ちょうなとは「手斧」と書き、昔の大工道具の一種で木を削る道具のことで、大工の仕事始めから来ていると言われております。
祭りで製作を手伝ってくれる人達を呼んで、その年の出し物を発表し互いに酒を飲みながらその年の山車を作る段取りを話し合います。

 

◆清めの酒
5月のゴールデンウイークの頃、各町内の山車組は一斉に小屋掛けをし山車の製作に入るわけですが、鍛冶町では製作にかかる前に製作中の事故がないよう、また立派な山車が出来るように氏神様を呼んでお払いの儀式を執り行います。山車小屋の中のまだ何も乗っていない下台を前に祭壇を組み野菜、魚、菓子などのお供え物とお酒を供え、宮司さんにお払いをしてもらい最後に全員で御神酒を頂きます。

 

◆ゴミ流し
山車の製作は4ヶ月もの長い期間多くの人々がたずさわります。多くの人が集まれば当然意見のぶつかり合いもありまして、時には祭りの製作がストップしてしまうような事態もしばしばです。そんな時には親方さんがあえて一日製作を休み、みんなに酒を飲ませ、腹にたまったうっぷんを全部はき出させ、次の日からまた新たな気持ちで製作に取り組みます。
これを「ゴミ流し」といい、それでもまだ腹の虫が治まらない時は近くの飲み屋さんに連れ出し明け方まで飲むと、だいたいみんなそれで治まるみたいです。 親方さんは昔から酒が強くなければ勤まらなかったみたいですネ!

 

 

 

◆ごくろうさんのお酒
言わずと知れた山車が完成してみんなで「ご苦労様でしたー」と飲むお酒です。これが一番おいしいのは当たり前のことですが、このお酒、前夜祭の前に飲めるか当日に飲めるか、はたまた飲めずに終わるか一番気になるところです。このお酒を飲むと必ず2〜3人の人が動けなくなりお泊まりするみたいです

 

 

◆振舞酒
祭りの期間中はどこの山車組でも門付けに歩き各家々からお祝いの祝儀を貰って歩きます。その時、祭りの番所(屯所・事務所)では祝儀は出しませんが必ず立ち寄り挨拶をし音頭を上げると言う風習があります。迎える側は表に出てお酒をふるまい労をねぎらい返します。大人にはお酒や冷たいビール。子供達には冷えた麦茶や氷水を飲ませてあげます。

 

 

◆鏡割り
これは数年前から新羅神社の山車組の中で始まったことですが、8月3日のお帰りの日、行列の出発前に各山車組の親方さん達が組の旗と提灯をもって長者山新羅神社の本殿に参拝をし、祭り期間中の無事を感謝し音頭を上げて、その後出発地点の鍛冶町片町へ下り道の真ん中で来年の再開を誓い合い鏡割りをします。その酒は集まった山車組の人達や沿道の観客にも振る舞われます。

 

なんだかんだ言って結局祭中は何かにかこつけて酒ばっかり飲んでいるようですが、くれぐれも皆さん飲み過ぎには気を付けて、肝臓を大事にしてくださいね!