谷川岳に登りました‥‥が、雨で展望は無しでした

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この山域は新田次郎の小説でも何度も登場する。谷川岳から万太郎山を経て平標山に向かう尾根歩きは爽快だろう。ついでに苗場山も近い。色々検討したが今回は土合から西黒尾根を登り山頂から一ノ倉岳、茂倉岳を経て土樽駅に下るコースとした。さらに前日には地下深い土合駅を見物して、一ノ倉沢の下から急峻な岩壁も眺めたかった。ところが何日も前からこの地域は雨ばかり。回復を期待したものの当日も雨で、上越線の渋川付近で土砂崩れのため、渋川駅から水上駅までバスの代行運転となった。思いがけず上州ののんびり旅行を楽しめた。さらに水上駅からはタクシーで土合駅まで送ってくれた、JRありがとう。タクシーの運転手に谷川岳に登ることを話すと、運転手は1960年に岸壁に宙づりになった遭難者の遺体を、自衛隊の狙撃手がザイルを射撃して切って遺体を収容したことを話してくれた。岩壁の風圧で弾丸が曲がるため当てるのが難しかったらしい。 土合駅は日本一の「モグラ駅」で山中の駅舎から地下に71b下り、階段は486段。階段の上部から下のホームを覗いても霞んで見えないくらい深かった。薄暗いホームまで下りて湿ったホームを散策。多くの登山者がここで降りて黙々と階段を上って行って谷川岳を目指したのだろう。その谷川岳は世界で一番危険な山(今まで死者が800人を超えている)とされ、亡くなった方はまさか死んで帰ることになるとは考えなかっただろう。もっともその遭難者は一ノ倉沢などの岩壁登攀によるものだが、天候の急変もある山域なので他人ごとではない。 土合駅からロープウエイ駅に向かうと途中に遭難慰霊碑があり、亡くなった人の名前が刻まれていて、青森県人の名もあった。土合駅の近くの「土合山の家」に前もって泊りのお願いをしたら、一人でと言うと断られた‥‥なぜでしょう? この日は雨が降り続く中、土合駅から傘をさして山中の車道を1時間ほど歩いて「湯檜曽の宿あべ」に世話になった。

翌日の朝、目覚めると強い雨、雷注意報も発令していた。窓の下を流れる湯桧曽川はゴウゴウと音を発てて流れていた。あきらめて帰ろうとも思ったが、せっかく来たからと宿からバスで土合のロープウエイ駅に向かい、天神平で様子を見ることにした。山頂駅も雨ではあるが風はなし、登り2時間で山頂に着ける。意を決して、ここまで来たら頂上だけでも踏まないと‥‥と思って、登ることにした。樹林の中を滑らないように下ばかり見ながら進むと、徐々に雨脚が弱くなってきた。尾根に出ると時々霧が晴れて万太郎山から平標山に続く稜線が見えたりしたが、それは一瞬のことで、また白の世界に戻る。晴れていたら大展望があったのにと思いながら黙々と急登を頑張るだけ。雪渓を越えて霧の中の肩の小屋を横目に過ぎると間もなく「トマノ耳」山頂。標柱に触り、すぐに「オキの耳」に向かう。鞍部にハクサンコザクラが咲いていて、そのピンクの色だけが白黒の景色の中で華やかだった。山頂1,977bは小雨で展望は全くなし。当初の予定通り一ノ倉岳から茂倉岳を経て土樽駅に下ることも考えたが、時間的に厳しく、魔の山が不安になってきて、少し悩んだ末‥‥あきらめて同じコースを下ることにした。少し急ぐと越後湯沢に向かう電車に間に合いそうだ。山麓のロープウエイ駅に着く頃には雨が上がってしまった。雨具を片付けて、またまた遭難慰霊碑を横目に急ぎ足で土合駅に向かい、長い階段を下りて薄暗いホームに立った。今回は山より「モグラの土合駅」を楽しんできた気がする。越後湯沢の駅舎には温泉があって雨と汗で濡れて冷えた体を温めた。

 

8:37湯檜曽温泉〜(関越バス)〜8:55谷川岳ロープウエイ駅〜9:10天神平 発9:3011:40谷川岳オキの耳〜12:50天神平〜13:15谷川岳ロープウエイ駅〜13:40土合駅 13:49発〜14:13越後湯沢駅 温泉♨(湯の沢)18:28発〜22:05八戸

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上越線 土合駅

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地下のホーム

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駅舎から地下に71b下り、階段は486

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雨が降り続く中、天神平(1,319b)へ

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一瞬、霧の合間に万太郎山に続く稜線が見えた。 山の景色はこれだけ!

谷川岳の姿は全くない!

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オキの耳(1,963b)

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トマの耳(1,977b)

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ハクサンコザクラ

昨年登った会津駒ヶ岳、至仏山にも咲いていました。

(至仏山から眺めた谷川岳に憧れて今回の登山となりました)

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下山の途中に雨が上がってきました、皮肉 (^_^;)

大人の休日クラブパスを使っての登山である。使用期間が梅雨の季節真っただ中なので、雨はしょうがないものの、晴れた谷川岳の映像ばかり見ていたので展望無しは残念でならない。しかし旅行気分で上州・群馬の旅ができた。宿となった湯檜曽温泉の「湯桧曽の湯あべ」の女将さんは親切な方で、バス停でバスが来るまで話し相手になってくれました。ありがとうございました、今度は秋晴れの紅葉の季節に伺います。

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