八戸から三陸を縦貫する鉄道に乗り仙台まで、そして一日で戻る旅

R4.12.5

12月5日(月)

もう10年以上前になる。大震災が起こる少し前から八戸から三陸沿岸を南下し、仙台まで一日で往復できるか机上で計画していたことがあった。JR八戸線〜三陸鉄道北リアス線〜JR山田線〜三陸鉄道南リアス線〜JR大船渡線〜JR気仙沼線〜JR石巻線〜JR仙石線〜東北新幹線〜JR八戸線、これを乗り継いで戻ってくるのだ。私は「乗り鉄(電車に乗っている事が趣味)」ではないし、「撮り鉄(列車の写真撮影が趣味)」でもない。でも旅行が好きな分だけ「乗り鉄」に近い方かもしれない。特に鈍行列車の旅は大好きで、車窓から眺める景色をどん欲に楽しむのである。景色のみならず民家の庭先、畑の作物、里山や漁村の風景、そこで働いている人々、遠くの高い山々‥‥飽きることはない。そのためには地図は必携である。よくスマホや居眠りで時間つぶしする方もいるが、もったいなくて私の性に合わない。

調べると綱渡りではあるが何とか最終の八戸線で自宅近くの駅まで戻ってこられることを確認できた。いざ実行と思っていた矢先、2011(平成23)311日東日本大震災により三陸沿岸の鉄路は大きな被害を受けて不通となった。私の計画もこの時から頓挫したままであった。

世の中はコロナ禍でもあり、三陸沿岸で被災した方々のことを思うと気楽に旅行というのも心苦しい思いでいた。半面、復興していく被災地も見てみたい思いもあり、十数年ぶりに改めて計画しなおしてみた。JR八戸線〜三陸鉄道リアス線〜JR大船渡線(BRT)〜JR気仙沼線(BRT)〜JR気仙沼線〜JR石巻線〜JR仙石線〜東北新幹線〜JR八戸線、震災前とは鉄路も大きく変わってしまっていた。特にBRT(バス・ラピッド・トランジット、バス高速輸送システム)も興味深かった。そして何と八戸駅からの最終電車に間に合うことが分かったのだ。それならと意を決して、いざ挑戦の旅に出た。

 

 

JR八戸線 長苗代駅 発 6:09 (始発列車)

 

 

            久慈 着 751

 

三陸鉄道リアス線 久慈 発 805

 

 

                    盛(大船渡市) 着 12:28

 

JR大船渡線BRT  盛(大船渡市) 発 12:36

 

 

気仙沼 着 13:53

 

JR気仙沼線BRT  気仙沼 発 14:15

 

 

柳津(登米市) 着 16:04

 

JR気仙沼線 柳津(登米市) 発 16:26

 

 

前谷地(石巻市) 着 16:45

 

JR石巻線  前谷地(石巻市) 発 16:48

 

 

石巻 着 17:07

 

JR仙石線  石巻 発 17:27

 

 

仙台 着 18:50

    (この間に 仙台発18:54 があるが、仙石線ホームから新幹線ホームまでは遠く、乗り換え間に合わず)

東北新幹線  仙台 発 19:53 はやぶさ

 

 

八戸 着 21:08

 

JR八戸線  八戸 発 21:21 (最終列車)

 

 

長苗代 着 21:25

 

なんと乗車9列車(BRT)、15時間超の旅でしたが疲れは全くなし。前日の鎌倉・箱根縦走登山のために購入したJR東日本「大人の休日倶楽部パス」を使ったので運賃は0円でした。車窓からの三陸沿岸の景色は綺麗だった半面、陸前高田市などの広範囲な更地状態の市街地を見ると復興もまだまだ先のようです。大型トラックが土ぼこりを上げて走り回っています。巨大な防波堤も作られていました。ところどころに震災遺構なのか空虚な3〜4階建てのビルも残されていて津波の凄まじさを感じられました。残念ながら日没は16時半と早く、石巻や松島・塩釜の復興状況までは見られませんでしたが、夕方の込み合う仙石線の車内では震災があったことすら忘れさせる明るさがありました。 また一つやり残していたことが解消できました。(*^_^*)v

 

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