積丹半島を一周してきました(H21.9.18〜22) |
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平成21年9月19日(土) この時期に5連休ということはなかなかない。7月の積丹半島を巡る旅は悪天候のため長万部でストップ。今回は札幌から小樽を廻って古平の家族旅行村でテント2泊の予定です。八戸港で乗船待ちの間、輪行で仙台から新幹線で来た自転車の若者(25歳くらい)としばし旅談議。この人は会社員の方で8日間で釧路から根室、網走方面を走るとのこと。一日の走行は50`に抑え、すべて宿泊先は予約しているという。私は一日に150`走ると聞いたら驚いていた。まず苫小牧港に着いたらネットカフェに泊まり、始発の電車で釧路に向かい明日は厚岸に泊まるという。自転車と電車で輪行の旅ということで、いろんな楽しみ方があるものだ。私も定年が近づいてきたが、距離を走るのが難しくなってきたらこんな旅を楽しみたいものだ。 真夜中の1時半、最後の最後に自転車2台だけで下船。苫小牧港で互いの無事を願いあって若者と別れ、私はフェリー港の待合室で朝4時まで仮眠。札幌から先は未知の道でもあり明るいうちに着けるか不安が先になって、まだ暗い中4時半に札幌に向けて走り出した。 走行距離150.5`、平均15.8`、最高時速45.7`、自転車走行時間 9:29:30 |
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17:30 八戸港「べにりあ」に乗船 |
静かな苫小牧港に入港 1:30 晴れ・無風 |
フェリー待合室で寝袋に入り仮眠 4時起床、まだ暗い4時半に出発 |
9:00 札幌ドーム到着 札幌市内に入って、信号待ちが多くてペースが完全に狂ってしまった |
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札幌の路面電車 東屯田通り この道は大学のスクーリングで通った懐かしいところ |
手稲にて 突然の土砂降りの雨 天気は晴れの予報だったが、3度も降られてしまった |
バス停の中で雨具を着込む それを見ていたお婆さん「古平はまだまだ先だよ〜」 |
小樽市蘭島にて やっと雨が上がった‥‥雨具を脱いだら余市でまたまた雨になった (^_^;) |
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出足平(でたりびら)峠146bの登り 疲れた足にはきつかった 余市は果物の産地、果樹園から「ドーン」と鳥避けの爆竹の音?が聞こえてくる |
沖歌トンネルを抜けると、家族旅行村の案内板が見えた。夏場なら近くのキャンプ場で泊まるのだが、今は誰もいない。物騒なので安全な家族旅行村でのキャンプを決めたのだ。 |
旅行村のキャンプ場は高台にある テントを張ったあと、また古平の町まで下って買い出しに行った 古平家族旅行村 入村料500円、テント1,000円 毛布200円(寒いよと言われ) |
キャンプサイトには誰もいないし強風の中でテントを張るのは嫌なので、お願いして炊事場の陰に張らせてもらった 全く風が当たらない 20:00 夕食も済んで、ラジオを聞きながら地図で明日のコースを確認していたら眠くなって就寝 |
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平成21年9月20日(日) 朝4時寒くて目が覚める。外にはまだ星が輝いていた。今日はテントを張ったまま空身で積丹半島を一周の予定。まず古平町から610bの当丸峠を越えて神恵内村に向かう。当初は余市から仁木、共和、岩内を通って神恵内に出ることも考えたが、神威岬や積丹岬でゆっくりするためには当丸峠を越えて近回りするしかない。結局この計画がうまくいくことになった。道道998号は測道も広く交通量も極めて少ない。しかし海岸から一気に610bの登りはきつかった。山葡萄も実っていたがクマも気になる。当丸峠展望台には8:10到着。ここが最高点であとは下るだけ‥‥と思っていたら峠はさらに登ったところ。当丸山800bへの登山道入り口があるところが最高点らしい。そこから約15`の神恵内までの急坂は時速40`で下る超気持ちのよいツーリング。それにしても立派な雪崩避けのシェルターやトンネルの連続であった。当丸トンネル(1,056b)は工事中で交互通行していた。私の自転車1台だけのために誘導員が無線で連絡しあっていた。申し訳ないのでフルスピードで通り過ぎたが対向車は全くなし。すごくお金を掛けただろう贅沢なトンネルである。 神恵内9:00到着。深い山と谷の連続から急に青い海が目の前に広がった。海沿いを進む道は向かい風が強くなかなかスピードが上がらない。すぐに大森トンネル(2,509b)、キナウシトンネル(1,008b)、川白トンネル(2,106b)など歩道も広く長大なトンネルが続く。積丹ではトンネルの連続を心配していただけに立派で安全に走れることに驚いてしまった。北海道のトンネルは恐いという思いはふっとんでしまった。これも豊浜トンネルの岩盤崩落事故の反省から特に積丹半島では改良が進んでいるのだろう。旧道のトンネルと新道が平行していて、旧道トンネルの入り口はコンクリートで覆われていたのが不気味であった。ちなみにトンネルで一番恐ろしい思いをしたのは洞爺湖から支笏湖に抜ける美笛峠にある滝笛トンネル(1,546b)である。 積丹の海岸は素晴らしい。あっちで立ち止まり、こっちで振り返り、もうとにかく感動の連続である。青い海と奇岩と山が海に落ち込む際の断崖のすごさには圧倒されてしまう。神威岬はもっとも素晴らしい場所であった。女人禁制の門というドキッとする門をくぐって、やせ尾根の遊歩道を岬の先端まで行くのだが、自然が作り出した景色には驚くばかりである。神威岩と海に沈み込む岩礁の荒々しさは特に素晴らしい。積丹岬の島武意海岸もすごい。遊歩道の暗いトンネルを抜けると突然視界が開け、目の前に青い海と岩場のコントラストが広がった。デジカメの写真の中には完全に驚きの感動まで入れることができないのが残念である。さらに1.8`の積丹岬自然遊歩道は灯台から展望デッキで休憩しながら青い海と断崖をながめる楽しい道であった。遊歩道から一歩足を踏み外すと断崖から転落しそうな場所が何カ所もある。荒波の中に立つ女郎子岩は北へ向かう源義経が大シケで傷ついたとき看病した酋長の娘シララ姫の化身だという。私の住む八戸市高舘には義経が暮らした伝説があり、この場に来て思いがけない縁を知って嬉しくなってしまった。ススキの原から遠くに望む積丹岳や余別岳はもう秋の風情そのものであった。 あまりに積丹岬でのんびりしすぎて予定より大夫遅れてしまった。積丹岬から婦美を経て美国に着いたのが16:50。薄暗くなってきたが古平の日本海ふるびら温泉一望館の温泉に入ってからキャンプ場に戻る予定でいた。道道から離れ急坂を押して登り、元の高校の建物を改造したという温泉に着いたが灯りがない。入り口には休館の張り紙、ガックリ! しかし結果的にこれも良かった。帰りに夕食を買ってうす暗くなった旅行村に戻ったのが18:00。テントに入って疲れた体を伸ばした‥‥が、何とライトがつかない。予備の電池に替えても頼りなく灯るだけ。外灯の方がまだ明るかった。急いで晩飯を食べ終わったが、温泉に入っていたら2時間は遅くなっていただろう。真っ暗の中で動かねばならなかった。うまくいくものである。明日は余市、小樽、札幌をゆっくり廻ってから帰る予定にして、寝袋に潜り込んだ。天気予報も明日は晴れであったが今日の夜は今年一番の冷え込みだという。昨日も寒かったので靴下3枚とヤッケを着込んで寝袋に入った。眠りについた頃‥‥な、なんととなりの炊事場の中で家族連れ(母親と幼児3人らしい)が花火を始めた。外は風が強いので誰もいないと思って炊事場の中で始めたようだ。時刻は21:30。花火はかまわないが炊事場の裏にテントがあることを知らないようだ。こっちは花火の火がテントにつかないかハラハラ。しかも幼い子供ばかりで母親が「エリだめ、あぶない、やめて!」とヒステリックに叫ぶので極めてやかましい。テントを出て注意しようかと思ったが我慢我慢。しばらく騒いだあとケビンに戻っていった。
走行距離95.5`、平均14.5`、最高時速48.2`、自転車走行時間 ? |
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6:30 テントを設置したまま旅行村をあとに積丹に向けて出発 晴天 しかし相変わらず風が強い |
古平から神恵内に向け、積丹半島を横断する32`の山道はクマの心配ばかりでした |
やっと標高610bの当丸峠が見えてきた‥‥と思ったら展望台(左上)、本当の峠はさらに登ったところだった |
8:10 シェルターの途中に出口があり当丸展望台に出る、遠く日本海が見えていた ここで朝食となった |
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当丸トンネルは工事中で交互通行 夜間は完全に通行止めとなる |
峠を越えると神恵内まで長い長〜い下りが待っていた 超きもちいい! それにしても立派な道です |
交通量は少ないが至るところに立派なシェルターができていた |
9:00 神恵内到着 海沿いの道は新しいトンネルができて古いトンネルの入り口は塞がれていた(上は旧道) |
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こんな風景が延々と続く、海は青く澄んでいる |
歩道のすぐ下は海 黒い点に見えるものはすべて 「ウニ」 (^_^) |
「窓岩」が見えてきた しかし向かい風が強くスピードが上がらない (^^;) |
「神威岬」が見えてきた ここから積丹町に入った |
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神威岬は海に突き出た断崖が続く 素晴らしい景色の中を歩く |
神威岬の先端 神威岩と岩礁 いつまでもここにいたかった |
遊歩道から積丹岬が見えている |
岬の先端から振り返る 遠くの山は積丹岳・余別岳 |
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断崖の下には、積丹ブルーの澄んだ海が広がる |
13:00強風の中、積丹岬へ向かう |
弁天岩 積丹にはこんな奇岩が多い |
遊歩道トンネル30bの中は真っ暗 抜けると大感動が待っていた |
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その感動の島武意海岸 (日本の渚100選) こんな景色はめったにない |
積丹岬は素晴らしい景色の連続 |
積丹岬自然遊歩道1.8`を歩く 左は断崖絶壁と青い日本海が広がる |
シララ姫の化身「女郎子岩」 源義経の伝説はここにもあった |
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ススキと積丹岳・余別岳1,297b 今回の旅はこの山の麓を廻った |
浜ラーメン700円を食べる となりで若いカップルが鮑の踊り焼きを食べていた こっちは見てるだけ〜 (^^) 15:50やっと積丹岬を出発 |
期待していた古平温泉は休業中でガッカリ、せっかく急坂を登ったのに 18:00 夕食を買って薄暗くなった旅行村に無事戻ってきた |
20:00ケビンには明るい灯があった 明日はあっちこっちに寄って帰ろう |
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平成21年7月20日(月) 5時起床、さほどの寒さではなかった。フライも全く濡れていなかった。洗面のあと炊事場にテントや荷物を広げ梱包。6:30番号札と毛布を誰もいない管理棟に返却し、旅行村をあとにした。曇天ではあったが風はなし。最初の沖歌トンネルを抜けるとすぐに豊浜トンネル。旧トンネルは1996年2月10日8:10に岩盤崩落。バスの乗客や乗用車が押しつぶされ20名が亡くなったあと、2000年暮れに今のトンネルが開通した。旧トンネルは奥まっていて見ることはできないが古平側には防災祈念公園が造られ慰霊碑も建立されていた。山奥のトンネルと思っていたが民宿や民家が近くにあり、こんな所で事故?という感じであった。この事故をきっかけに積丹のトンネルは改良され私達も安心して走れるのだ。 遠くに蝋燭岩を眺めて進み、恵比寿岩と大黒岩で写真を撮っていたらバイク2台が近くに止まった。60歳代後半くらいの年配の夫婦ライダーであり今どこを走っているのか分からなくなったから教えてくれと言う。これから婦美から積丹岬に向かうという。写真を撮ってあげると言われたが逆光なので黒くなるからと断ってしまった。代わりにと夫婦での写真を撮ってあげたが、私のデジカメとは全く違って明るく表情まで綺麗に撮れていた‥‥いいデジカメがほしい。この場所のそばには新たなトンネルが建設中で、完成したら恵比寿岩なども見られずに素通りすることになるだろう。道路の改良も善し悪しである。ここから道は出足平峠の登りにかかり一苦労する。余市ではニッカウヰスキーの工場にちょっと寄って写真を撮った。趣のある古い建物に歴史を感じる。浜中モイレや蘭島の海岸にはキャンプ場もあるので場所を確認。ライダーには有名な「レストハウスおしょろ」の前には、これから出発するライダー達が勢揃い。1泊2食付き2,380円(食事は必ずすること)だという。ここは自転車でもOKだろうか、悪天の場合に利用させてもらおう。塩谷からオタモイまではこの旅一番の長い登り、きびしい!‥‥(^_^;)。9:00小樽到着。運河を見ながらのんびりと朝食、さらにギシギシしだした自転車にも注油する。すごい人出で北一硝子も賑やか、しかし通りの反対から眺めるだけ。ここは過去に学生の引率と家族旅行で4回も来ているので素通り。来るときは急な土砂降り雨で苦労した張碓への登りで少し頑張って、一気に銭函へ下り石狩湾に別れを告げた。 札幌に入って西野から丸山へ山手を走って大通り公園へ。ここでのんびりしたかったがフェステバルですごい人出。写真を撮って早々とすすきのから中島公園に向かった。このコースは札幌マラソンのコースで近いうちに走ることになるだろう。南大橋から豊平に出て月寒から札幌ドームへ。今日は北海道日本ハムの試合があるようでこちらも道は混雑。とにかく信号待ちで疲れがドッと溜まってしまった。大曲あたりからやっとペース走になった。途中で大好きなトマトをかじりながら走り恵庭の道の駅で休憩。サッポロビール工場を横目に千歳に入る。千歳では空港を離着陸するジェット機の写真を撮ろうと待ちかまえていたがなかなか飛んでこない。諦めて走り出したとたんにカラフルなジャンボが超スローで飛んできて着陸、うまくいかないものだ。夕空に樽前山や恵庭岳の黒いシルエットが綺麗に見ていた。ウトナイ湖を通るころでもまだまだ元気でペダルを踏み込む。苫小牧の明野なごみの湯に18:00到着。20:30までのんびり過ごす。 なごみの湯を発ったのが20:40。暗い道を走っていたら急に二人の警察官に呼び止められた。懐中電灯を当てられて「ちょっと聞いてもいいですか」。自転車をしげしげと見られた、盗難車のチェックらしい。「登録が青森ナンバーですが、どちらまで」。積丹半島を廻ってこれからフェリーで八戸に帰ると言ったとたん、若い警官が興奮した感じで話し出した。「え、八戸‥‥、自分は田子出身で八戸南高校から小樽の大学に進んで道警察に入った‥‥、母校が廃校になるそうだが残念‥‥」、態度が急に変わってしまった。年配の太めの警官は「ところであんた何歳?」、56歳と言うと「私と同じじゃないか、俺にはこんなことはできないな‥‥すごいね〜‥‥」。話が長くなりそうなので先を急ぎますから‥‥というと、「失礼しました、気を付けて」とやっと離してくれた。それにしてもいつもだと風呂上がりでビールであったが、今日は奇跡的に飲んでいなかった‥‥良かった(^_^;) 飲酒運転で捕まるところだった。暗い道をしばらく走って苫小牧港に到着。22:40バイク4台の次に自転車1台だけで乗船。2等客室で横になって今日走ってきた150`の道を思いやっていたら眠くなって24:00出港の前には寝袋に入って眠ってしまった。 走行距離152.0`、平均15.6`、最高時速40.9`、自転車走行時間 9:43:44 |
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6:30 炊事場を独り占め 出発の準備をする |
蝋燭岩46bを眺める 自然の驚異、よく倒れないものです |
恵比寿岩と大黒岩 工事中の新たなトンネルが開通すると、この景色も見られなくなるかも |
7:40 余市にて 有名なニッカウヰスキーの工場 |
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9:10 小樽にて 小樽運河をゆっくり廻る |
小樽港と高島岬 水族館や鰊御殿には家族旅行での思い出がある 積丹半島に別れを告げる |
12:50 札幌大通り公園にて オータムフェステバルですごい人出で休むこともできませんでした |
すすきの こちらもニッカウヰスキー |
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トマトを食べながらの旅でした |
15:10 恵庭にて サッポロビール工場の前で |
22:40 バイクのあとに乗船 24:00 苫小牧港出港 |
2等船室にて 7:30 八戸港に到着 |
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今回の旅の前に気になることがあった。胸にほくろ状の黒い腫瘍?のようなものがあり、最近大きくなってきたように感じていた。思い切って病院で診てもらったらすぐに切除、組織検査‥‥となった。マラソンや登山、畑仕事などが好きで若い頃からアウトドア派でもあり皮膚がんを心配しなければならない年でもあった。その結果が出たのが旅に出る直前。よかった(*^_^*)‥‥心配から解放された。健康で過ごせることを感謝しながらの本当に楽しい旅であった。 (^_^)v (平成21年10月14日) |
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